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河西 俊一
EMC: electro magnetic compatibility: solution technology: 電磁環境工学情報, 0(78), p.27 - 30, 1994/10
レーザーの化学利用研究の一環として、大阪支所で進めたフッ素樹脂の表面改質について解説した。まず、代表的なフッ素樹脂であるPTFEの接着性改善については、光吸収剤として芳香族系高分子を1~20%添加したPTFEにKrFエキシマレーザー光を照射することによって、接着性を改善することができた。本法で得られた改質効果は、従来法である薬品処理などに比べて、効果が高い、微細な加工が可能であるなどの特長を有している。また、溶融成形が可能なフッ素樹脂であるPFAを水中でArFエキシマレーザー光を照射することにより、親水性を付与することができた。この親水性発現機構および本技術の特徴を検討した。
岡田 淳*; 根岸 靖雄*; 清水 雄一; 杉本 俊一*; 西井 正信; 河西 俊一
Chemistry Letters, 1993, p.1637 - 1638, 1993/00
溶融成型が可能なフッ素樹脂であるテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエテール共重合体(PFA)表面への親水性付与を目的として、ArFレーザー光照射によるPFAの表面化学反応を調べた。その結果、一酸化炭素を溶解した水中でPFAフィルムをArFレーザー光照射(208J/cm)すると、PFAフィルムの水に対する接触角は未照射の時の106度から34度まで著しく減少し、親水性が大幅に改善できることを見い出した。照射によりPFA表面の元素比O/Cは未照射の場合に比べて4倍に増加するが、一方F/Cは1/3に減少した。なお、酸素を溶解した水中及び大気中でArFレーザー光を照射しても、親水性はほとんど改善されなかった。これらの結果から、PFAフィルムの親水性の改善には、フィルム表面のF原子の脱離およびカルボニル基のような極性基の生成が大きく関与していることが明らかになった。